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認定NPO法人ボルネオ保全トラスト・ジャパン
BCTI
コラム
環境保護団体の視点で取り組む認証油の促進
2024年5月1日
ボルネオ保全トラスト・ジャパン(BCTJ)は、日本に輸入されるパーム油の主要生産地であるボルネオ島のマレーシア領サバ州で活動する認定NPO法人です。2008年に設立し、サバ州政府や現地の環境保護団体と協働してキナバタンガン川流域に残る熱帯雨林の保護と生物多様性保全の活動に取り組んでいます。
ボルネオ島の環境問題を扱う団体としてパーム油は避けて通ることのできないテーマであり、RSPOには2019年に加盟しました。熱帯雨林の大規模伐採や野生動物生息地減少の原因という文脈で批判の絶えないパーム油産業ですが、パーム油がマレーシアやインドネシアの輸出産業において重要な農作物であること、人間の文化的生活を支える大切な植物油であることも事実です。BCTJはパーム油の存在を頭ごなしに否定するのではなく、ボルネオの地で動物と人がともに生きていくためにはどうすればよいか、より良い未来を築くためにパーム油を取り扱う企業がすべきことは何かを考え、発信を続けています。
2011年よりパーム油における日本国内の動向や統計情報を解説する『パーム油白書』を発行しているほか、日本各地の動物園と協力してボルネオの現状を伝える環境教育活動を始めました。2020年ごろより、企業から「RSPOには強い関心があるが、社内教育が追いつかない」というご要望による社内セミナー登壇の機会をいただくことも多くなり、社会環境の変化にともなう生物多様性保全活動への機運の高まりを感じています。
JaSPONには民間企業とは異なる立場での参加となりますが、「持続可能なパーム油がより良い社会の構築に貢献する」ことを信じ、今度も大局的な視点を持って活動をともにしていきたいと考えています。